お知らせ

2022年10月17日

「窓」でヒートショックを防ごう!

暖房の効いた部屋から浴室やトイレに移動したら、あまりの寒さに身震いしてしまったということはないでしょうか。
こうした住まいの中の温度差が、いわゆる「ヒートショック現象」を招く原因と言われます。
実は、すぐに行えるさまざまな対策があるのです。


(YKKAPからの情報を提供)

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家の中で温度差の大きな場所へ移動した際、血圧が急激に変動することで、失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす現象です。

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■意外と認知度が低い“ヒートショック”

成人の男女に対して行った調査によると、半数以上の人がヒートショックを知らない(聞いたことがない+聞いたことがあるがどのようなものかは知らない)という事実がわかりました。

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■極端な温度差が“ヒートショック”を引き起こす

居室に比べ暖房設備が整っていることの少ない浴室・洗面所やトイレ。
それらの場所はもともと日当たりを配慮されないことが多いため、同じ住まいの中でも10℃以上の大きな温度差が生まれます。それがヒートショックが起こるリスクを高めるのです。

実際に、ヒートショックが原因で入浴中に亡くなった方は交通事故死者数を大幅に上回ります。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)の研究では、2011年の1年間でヒートショックに関連した入浴中急死をした人は全国で約17,000人と推計され、交通事故による死亡者数(4,611人)をはるかに上回ります。他人事として軽視はできない状況です。


※出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)「冬場の住居内の温度管理と健康について」(2013年12月)掲載の2011年の死亡者数

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■冬場は特に気をつけたい“ヒートショック”

入浴中に心肺機能停止となる人は冬場に多く、もっとも多い1月は8月のおおよそ11倍。寒い季節は特にヒートショックに対する注意が必要です。

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■急激な温度の変化には要注意!

暖房で暖まった居室から、寒い廊下を通り、さらに脱衣所で衣服を脱いで浴室に入ると、血管が縮んで血圧が急上昇。ところがお湯につかると血管が広がって、逆に血圧が下降します。同じように、布団の中からトイレへの移動時も血圧が急激に変動。こうした血圧の乱高下は心臓に負担をかけることになるのです。

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■暖房がある部屋も、窓辺に近い場所は寒い

「エアコンの温度設定をいくら上げても足元が寒い」という経験はありませんか?それは、窓の断熱性能が低いことが原因と考えられます。冷えた窓によって空気が冷やされ、下降気流となって足元をスースーと冷やします。いわゆる「コールドドラフト現象」と呼ばれるものです。

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■“ヒートショック”になりやすい人は?

いずれの条件にあてはまる人は、ヒートショックの影響を受けやすいと言えます。高齢者だけでなく若い人に当てはまるものもあるので、年齢に関係なく注意したいところです。

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■かんたん実行!“ヒートショック”対策

①お湯はぬるめに。
暑いお湯に入ると血圧が急激に下がることにつながりやすいので、お湯の温度は41℃以下にすることをおすすめします。

②浴室を暖めておく。
高い位置からシャワーで浴槽にお湯をはることで、浴室全体を暖めることができます。入浴前に浴槽のふたをはずしておくのも効果的。

③入浴前に水を飲む。
入浴中は汗を、徐々に体の水分が失われていきます。入浴前に意識して水分を補給するようにしましょう。

④暖かな恰好で移動。
お風呂やトイレ、洗面所、台所などに行く時は、上着を1枚多く羽織りましょう。

⑤食後の入浴は控える。
食後1時間以内は血圧が下がりやすくなるため、入浴は控えた方がよいでしょう。

⑥トイレや脱衣所を暖める。
体を急激な温度変化にさらさないように、ストーブやファンヒーターなどの暖房器具で温めておきましょう。

⑦便座も暖かく。
トイレには暖房便座を設置しましょう。または便座カバーを掛けるなどして、お尻に冷たさが直接伝わらない工夫を。

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どんな場所も暖かい環境づくりが大切です。
普段からの心掛けはもちろんですが、家全体が冷えきった状態にならない工夫も大切です。日当たりの良い南側はリビングや居室として利用されることが多く、浴室やトイレは北側に設置されがち。当然、あまり日が差さない場所は冷え込んでしまいます。とはいえ、すべての部屋に暖房を入れるわけにもいかないし・・・さて、どうしましょうか。

■ポイントはズバリ「開口部」!

熱の多くは窓やドアから逃げていきます。
住まいの開口部(窓やドア)は多くの熱が出入りし、冬は50%もの熱がそこから逃げてしまいます。冬の寒さの主な原因は、アルミサッシや単板ガラスなどの断熱性の低い窓。断熱化されていない浴室やトイレの窓からは容易に熱が逃げ出していると考えられます。


※数値はYKKAP算出です。

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■“ヒートショック”の軽減に「窓」が一役買います!

樹脂窓・二重窓で断熱性をアップ!
開口部の断熱性を高めるために、大掛かりな工事をする必要はありません。熱を通しにくい樹脂フレームの窓(Low-E複層ガラス)にしたり、内側にもう一つ窓を付けたりすることで何熱性はグンと高まります。新築でも樹脂窓を採用すれば、室内をずっと暖かな環境にすることが期待できます。これにより、居室との温度差を解消し、ヒートショックによる事故を未然に抑制することが可能に。浴室ではバスタイムがより快適になり、心臓や血管に負担を与えない健康な生活にもつながります。


万一に備えて浴室扉は取り外せるように!
ヒートショック対策は万全でも、浴室で事故が起こらないとは限りません。洗い場に倒れてしまった場合、浴室の扉が内開きだと体で扉が塞がれることも考えられます。そうした事態に備えるために、脱衣所側から速やかに取り外しができる扉を採用することもおすすめします。